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2025/01/12  [PR]
 

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 雑記

パソコンまでの距離が遠い。
そう、でかなくなったお腹のせいです。
エンヤコラー!ドッコイショ!

今日は寄り道して帰って来ました。
久々に草間やよいさんの作品見ました。
昔はなんか毒々しいいなぁと思ってたのですけども
今日みたらこれはPOPなんだなと思いました。
なんかおかしい。
多分14,5年前に大草間弥生展みたいなのを現代美術館で見てるんですけど
それ同時開催がアラーキーの展示だったのでなんというか
その濃い組み合わせに当てられて帰って来て高熱出した覚えがあります。

たまーに何かに当てられて熱や風邪をひくことってありますよね。
知恵熱か。

さて以下は久々に坂万3Z SSです。
相変わらずHP本体がいじれないので
以下に畳みます。BLです。











12月にしては暖かい日々が続く。
冬晴れの続く屋上はカラリと乾燥していて喉の奥をかすかにチクリとさせる。
こういう天気が風邪の患者を増やすんでござるな、とぼんやり思いながら
午後の授業をさぼりながらのんびり過ごす。
去年の今頃はピーコートを着ながら寒くても屋上でサボっていたものだが
今年はサボりにやさしく緩やかだ。
 
屋上から見た校庭とは逆の方向、西側の土地には銀杏並木で有名な通りがあって
密集した建物のなかにスポットが当たったように黄色い並木地帯が見える。
平日でも年配者の観光が増えるのだろう。
昨日何気なくつけたニュースでもレポーターが何が嬉しいのかわからないが
嬉しそうにリポートしていた。
 
確かに季節の変わり目というのは感覚が敏感になったり
妙にソワソワしたり、創作力を掻きたてるに十分な要素だったりもするだろう。
しかし最近ギターがならない。メロディの頭がふっと沸いてはすぐ泡のように消える
そんなことをが繰り返し起きている。
そういう時はなにもしないのに限る、と思うがそこまで潔く諦めもつかず
中途半端な音をならしては自分自身にイライラしていた。
 
こういう時は危ない。高杉につっかかりたくなるし
また子に甘えたくなったり似蔵に八つ当たりしたくなったりする。
武市はとくにどうでもいい。
そういう部分はあのメンバーには薄々ばれているというか
現にこうして一人で屋上にいる時点で
なにか感じられて避けられているのだろう。

我ながら恥ずかしい話でござる。情けない。
 
楽譜は真っ白なまま西日が強くなり風がやや強くなってきた。
夕方に向かっている証拠だ。
 
高速道路のゴーっという慢性定期に聞こえる耳鳴りの様な音さえも
なにかリズムがあるように聞こえたりする。ノイズなのかリズムなのか。
金網に寄りかかり足を投げ出して座りこんで上空を見上げる。
その時鉄の扉が重く風の抵抗を受けながらぎぃっと開く音がした。
誰でもいい。そのまま身動きもせず扉の方に横眼だけやると
開いた扉からひょっこりともじゃもじゃの黒髪が顔を出した。
扉から首だけ出してキョロキョロしている。
うぇ…
今さっき誰でもよいといった自分の考えを撤廃したい。
(いちばん面倒くさい人物でござる)
ひょっこり顔を出したもじゃもじゃ頭の男は数学の坂本だ。

なぜか…苦手である。

苦手でというか何度かちょっかいを出されている。
一度保健室ではち合わせて悪態をついたときにキスをされた。
なんというか同性とキスをしたのはその時が初めてで軽くショックを受けたことは事実だ。
しかし自分が一番違和感がなかったこと自体がショックでもあった。
それからなんとなく意識していたし、一度半分拉致をされるような形でドライブにも行った。
このことは誰にも言っていない。
 
なんというか保健室でのキスは不意打ち具合は犬がじゃれてきて
そのまま唇をぺろりと舐められた事故の様なもので、
噂によると数学教師だけど長い海外生活のせいで
ハグのくせがあるとかないとかセクハラ教師だとかなんとか。
さほど気にしてなかった。
他の生徒にもしているんだろうとぼんやり思った。
 
ただドライブの時はさすがに違った。制服のまま半ば無理やり車に押し込められた時に
ちょっとした恐怖も味わったものだ。
ヘラヘラした表情の裏に何を考えているのかわからない不気味さのような
大人のずるさというか
助手席で制服のままの自分がひどく差のあるものだと感じた。
無言の委縮…性質が悪い男だなと警戒した。
 

居心地の悪いシートの中エアコンの風口あたりをじっと見つめていた。
ひとつしかないホルダー刺さっている缶コーヒーの飲み口に残った
コーヒーの乾き具合からみると今朝購入したものだろう。
その下の灰皿の引き出しに目をやる。
薄くあいた引き出しの隙間から吸殻が2,3本見える。
 
坂本先生が職員室でタバコを吸っているのを見かけたことが無い。
 
吸殻の吸い口は真っ白2本と見間違いでなかったら
うっすら口紅がついた吸殻が1本…
見えたような気がした。
 
車自体は染みついた様なタバコの匂いはしない。
やはり先生が吸っているのではないなぁとぼんやり思う。
この車に乗ったのは複数いるわけで…
普通に考えてもそれは当たり前のことなのだが
連れ込まれた恐怖より時間とともにそういう観察から
坂本先生を知ろうとしている自分に気が付いた。
 
乗った時からカーオーディが小さく流れている。
当たり障りのない洋楽ロック…90年代のオアシスか…
世代的にはドンピシャなんだろう。
 
意外と懐古趣味、そして王道でござるな。
 
拉致の仕返しに降り際に自分が持っていたCDを一枚オーディオに突っ込んでおいた。
本当はアイドルのCDなんかが嫌がらせとしては最適なんだろうけども
あいにく持ち合わせていなかった。
沖田から借りていた落語のCDをコピーしたものがあったからそれを突っ込んでおいた。
多分内容は目黒のサンマだ。
 
その日は缶コーヒーを奢ってもらって首都高湾岸線のトイレしかないようなPAで
それを飲んでUターンし地元に送り届けられた。
また何かちょっかい出されるのではないか、と思ったのもとり越し苦労で
缶コーヒーも投げ渡されただけで手が触れ合うこともなかった。
 
別に触れ合うことを望んだ訳ではないけども。
 


-------------------------
 

屋上に現れた坂本の手にはきらきら光る円盤を指に刺してぐるぐるともてあそんでいて、
それがこの前の降り際に忍ばせた落語のCDだということは一瞬で思い出した。
 
「さぼりかぇ」
 
「…」
 
「ほれ、おんしこれこの前車のオーディオにつっこんだろー忘れもんじゃき」
 
「意外と可愛いことするんなぁおんし」
「嫌がらせでござる」
「あっはははははーそれは通用せんよ」
 
「ええ天気じゃぁ…」
 
そういうと河上の隣に坂本はどっかりと腰をおろした。
そしでほい、とCDを渡される。
なんというかこうあっさり返されると
自分がしたことがどんどん幼稚臭く感じていたたまれなくなる。
もっともそんなことをしたことさえも忘れていたのだ。
 
渡されたCDを翻したり回しながら陽の光を反射させてもてあそぶ。
フェンスに止まっていたカラスが光に驚きバサバサと飛び立った。
光の輪をそのまま坂本の顔に当てる
 
「わっ!!!眩しい。なにするぜよ」
 
そんな大げさなものではないだろう。
坂本だってサングラスをかけている。
やめろ、と言わんばかりに坂本がCDを持つ河上の手首をつかんだ。
角度を変えてCDの反射が河上の顔にあたる。
結構強い光だ。
そのまま坂本は河上のサングラスをはぎ取った。

さすがに眩しい。ずるいこれは反則でござる。

いきなりの強い光にぐっとしかめっ面をしていると相手がみえない。
チカチカした世界のなか次に感じたのは唇にやわらかい感触だ。
軽く触れたそれはやや強引に舌が触れそれがやがてなまめかしい動きをして唇を割り
おずおずと開けてしまった自分の咥内に侵入してきた。
顎をぐっと掴まれてやや強引に上に向けられている。
ごくっと喉が鳴る音がした。坂本の音なのか自分の音なのかわからない。
ただそれがひどく猥雑な感触を煽って指先がしびれた。
きっとこんな乱暴なことは女性にはしないだろう。それくらい雑だった。
 
 
あいかわらず先ほどの強い光のせいで目はチカチカしている。
坂本先生がどんな顔をしているのかは、わからない。
 
腕を強く掴んだまま顎が離れた時に涎が垂れた。
 
お互い空いている方の腕で唇をぬぐう。
 
「わしからの嫌がらせの仕返しじゃ」
膝に手をついてよいしょ、と立ちあがり冷たい視線で見降ろされた。
 
思わず睨み返すが教師が生徒に向ける眼差しとは違うそれに
腕に鳥肌がたち頭には血が上った。
 
なんとも言えない苦い唾液が口の中を支配していた。
 



先ほどまで暖かかった屋上に北東からの風が吹き始め
血が上った顔面をなぞる。
酷く冷たく感じる。今夜は冷え込みそうだ…
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